韓国現代美術のモダニズム形式主義と抽象美術の発展において、先駆的な役割を果たし、韓国現代美術の変遷を導いた朴栖甫(パク・ソボ)の回顧展(b.1931)です。韓国美術に内在する固有の精神と造形言語を独自の方式で解釈した朴栖甫の作品の独創性はもちろん、美術史的な意味を探ります。展示は、1957年~1960年代半ば前後の韓国の暗い激情的な情緒を込めたアンフォルメルの表現的抽象絵画が主だった<原形質>時代、オフアートと幾何抽象系の色彩抽象実験と1960年代半ば~1970年代をつなぐ<遺伝質>時代、その後1970年代初めから現在まで、材料の物性と行為の調和により、作家特有のモノクローム絵画を切り拓いた<描法>時代に分けられます。1960年代末の作家の挑戦と実験を示す<虚像>連作のインスタレーション作品を再現するほか、<原形質>、<遺伝質(虚像)>、<描法>など時期別に主要作品を紹介します。