<層と間>は、国立現代美術館の版画所蔵品を中心に韓国現代版画の昨日と今日を探る展示です。展示題目における「層」は版画で作家のキャンバスとなる板(plate)を、「間」は板の上に刻まれた隙間や残された隙間、つまり版画を作り上げる隙間を象徴しています。展示は、このように媒体の骨格をなす二つの要素を軸に版画の固有の特性を確かめ、それぞれを「重なり(layers)」と「中間地帯(spaces)」という概念に拡張させようとしています。<層と間>で紹介する国内作家50余名の150余点に及ぶ作品を通して、時代の変化の中でも独立的な芸術世界を構築しようとした作家たちの粘り強い媒体探求とそれが芸術家の態度として発展する過程を確認することができます。
5、6展示室で行われる本展は、大きく4つの主題で構成されています。韓国現代版画の出発を確認する「1950s~1970s:韓国現代版画の胎動と展開」、アカデミーと民衆美術という両方向において頭角を現した「1980s:版法の発達と民衆木版画運動」、突如始まったメディアの波動の中で版画の実験的性向を読み取ることができる「1990s~現在:メディア時代に現れた版画の独創性」、最後に同時代の美術の中で版画の位置を考察する「版画と版画的な態度の間で」の4つです。各主題別に展示された作品は、韓国現代版画の歴史と現実を反映し、展示室に一緒に用意された版画デジタルルーペ、版画スタジオは、さらに多様な方法で版画を経験できるように助ける役割を果たします。
下絵、製版、印刷の3段階の過程を経る版画は、今日のコンピュータグラフィックスの飛躍的な発達と3Dプリンタをはじめとするプリント技術の高度化によって、継続して新しい局面を迎えています。現在、私たちが注目すべきことは、絵を刷り出す技術としての版画ではなく、芸術家たちが版画という特殊性を扱う態度です。絵画や彫刻とは異なり、複数性や偶然性、間接性を前提とする版画に作家はどのように向かい合い、私たちはどのように眺めるべきなのでしょうか?<層と間>は、Tシャツから携帯電話、アパートに至るまでエディション(edition)の世界に住んでいる私たちに版画という名前の無限の可能性を思い出させてくれる機会となるはずです。