韓国の文化財と近現代美術を一か所で鑑賞して比較し、韓国の美を新たに見つめる展示を開催します。近代の美学者である高裕燮(コ・ユソプ)、崔淳雨(チェ・スンウ)、金瑢俊(キム・ヨンジュン)らの韓国美論を通じて韓国の代表的な文化財10点を選定し、その伝統が韓国の近現代美術に与えた影響と意味は何なのかを見つめます。
本展は、近現代美術の様相を「神聖で崇高である(聖)」、「清く正しく優雅である(雅)」、「大衆的で通俗的である(俗)」、「調和により統一に至る(和)」という4つのキーワードで考察します。この4つのキーワードは、東アジアの美学の核心として働き、近現代の美術家らが伝統を認識する際の道標としての役割を果たしてきました。逆に伝統美術においても近現代美術が反応していた伝統に対する認識は、19世紀以前の韓国美術史の研究と叙述にかなりの影響を及ぼしました。伝統と現代美術は一方向ではなく、互いに影響を与え合いながら形成・展開されてきたのです。時空を超えた出品作の出会いは、作品と作品の関係の中でこのような様相を呈し、これまで無数に議論されてきた「韓国の美とは何か」について各自が答えを見つける糸口になるはずです。
文化財は歴史の1ページを飾る「遺物」ではなく、同時代でも享受できる「美術」として認識された時、新しい解釈が可能となります。現代美術は伝統美術の内容と形式を正確に理解し、それを創作の源泉とした時にそのアイデンティティがさらに強固になり、私たちの美術は正しい方向に展開されて発展するはずです。博物館の文化財と美術館の美術品が積極的に向き合い対応する本展を通じて、死角のない韓国美術の完全な理解を図り、韓国美の新たなパラダイムを構築する上で転換点となることを期待しています。