「遊ぶもの」展に参加している8人（チーム）の作家は、材料の持つ固有の物性と熟練した技術を統合し、調和のとれた事物の言語を作り出す。そのような点で、彼らは「制作者（maker）」であり、かつ「遊ぶ人間（ホモルーデンス）」である。様々な素材を扱って築いてきた記憶と経験に基づいて、それぞれの重さと距離を測る過程において、世界に対する新たな関係と、使用のための不慣れだが、楽しい規則を提供する。時には想像力を加え、機能目的を超えて熱望を語ったり、現実から暫し離れた幻想の空間を披露したりする。
彼らは、私達の社会の原則と体系がさらに高度化される過程で生じる、過剰な真摯さの重みに打ちひしがれないようにと諭す。事物に対する通常の目線で、他の用途を実験し、私たちの判断を動揺させたり、日常生活の感覚を維持させたりする。
今回の展示は、「制作者たち」の私的な遊びと作業のプロセスを美術館という公共の空間に移し、私たちに新しい遊びの領域を再発見して、もう一人の「私」を想像させる。また、遊びから離れた私たちの生活がいかに無味乾燥で、遊戯に渇いているか、遊びを忘れてしまった人間がいかに無気力になるかを実感させる。 「遊ぶもの」展が生活のもう一つの側面をのぞかせ、有益な境界線を行き来して、新しい関係を抱く、遊びの庭園となることを願う。
