国立現代美術館

保存科学

保存科学は、美術作品の保存処理を通じてさらなる損傷を防ぎ、作品の寿命を延ばす活動です。このような活動は、美術史的知識とともに、科学的処理と検証のために、材料分析などの化学的知識に基づいて行われます。
特に、現代美術の保存は伝統的な概念では接近しにくい側面があり、美術品を保存・復元する目的と意味にも変化が求められています。

崔栄林(チェ・ヨンリム)　「無題」

紙類の作品は、紙や絹など多様な材料を下地にして、その上に墨で文字を書いたり、彩色顔料、染料などで絵を描く。表装(装潢（そうこう）)は、保管、保存、鑑賞するために、簇子(掛け軸)、屏風、巻物、典籍、額縁の形で飾られ、時間の経過とともに
破れたり割れたりする物理的損傷、変色・脱色する化学的損傷、害虫の排泄物の付着、害虫の真菌などの生物学的損傷などが発生する。これを保存処理によって、損傷の原因を除去し、構成材料、表装の形態などに応じて復元していく。