国立現代美術館

保存科学

保存科学は、美術作品の保存処理を通じてさらなる損傷を防ぎ、作品の寿命を延ばす活動です。このような活動は、美術史的知識とともに、科学的処理と検証のために、材料分析などの化学的知識に基づいて行われます。
特に、現代美術の保存は伝統的な概念では接近しにくい側面があり、美術品を保存・復元する目的と意味にも変化が求められています。

陸明心(ユク・ミョンシム)の「文人シリーズ-徐廷柱(ソ・ジョンジュ)」 (撮影1973年/制作2007年)

陸明心の文人シリーズは、1970年代に作業した徐廷柱の肖像写真で、原本フィルムの問題や写真表面の損傷とスポッティングのため、黒いシミが多かった。写真のクリーニングとスポッティングの汚れを取り除き、スポッティングとエッチング過程を通して
写真を復元した。また、ゼラチン・シルバー・プリント(Gelatin Silver Print)写真の保存性を向上させるために、中性マットやコーナー、再定着、セレニウムトナーなどを施した。